リリースから2ヶ月たち、他に導入する人もいなさそうなのでDQ3 K.Mixにも導入してみましたが、単にパッチを当てるのは自分の変更部分とかぶってしまうため不可能なので、「変更箇所を調べて必要な箇所を部分部分で抜く」という作業が必要となり、グランドラゴーンまわりのイベント以外一通り実装が終わるまで1週間くらいかかりましたが、元の製作者のm氏のおかげで1から作ることを考えたらはるかに少ない手間で実装できたわけで、感謝しかありません。多少なりとも内部を見ながら移植していったので理解度は高められたのはよかったと思います。というわけで1フロアごとにGBC版との比較画像を交えて見ていきます。
- 不死鳥の祭壇
条件に応じて鳥の卵のあったところに旅の扉のマップパーツを配置し、移動情報をセットする必要があります。あとは旅の扉用のループアニメーションの設定が必要です。(鳥誕生時に影響しないかは未確認)
- 氷の洞窟B1F
このフロアの形はロトの紋章の形をしています。紋章のてっぺんのところが若干異なっているようです。
扉の両隣にあるたいまつのマップパーツの後ろが空いているので爺を配置して通せんぼさせるときには配置位置に気をつける必要があります。もしくは動的に通行不可の通行情報をたいまつの後ろに設定して通行不可にしてしまうか、DQ3マップ編集ツールで通行情報をいじって通行不可にするか、のどれかがいいでしょう。オリジナル(GBC版)ではここを通るには全モンスターの銅メダルが必要にあるため、その救済措置として人食い箱、ミミックやボスモンスターが出現します。このボスモンスターが曲者で、ストーリーで対戦したままのステータスで出現するためHPがべらぼうに高く、戦闘のテンポが非常に悪くなります。モンスターメダルシステムを再現しないのであれば別モンスターに差し替えるか、HPだけを大幅に下げた状態で別モンスターとして定義するかのほうがいいと思います。
- 氷の洞窟B2F
無駄に広いフロアで屋根で隠された箇所がかなり多いです。このフロアからGBC版初登場の追加モンスターが出現しますが、どれもHPがやたらと高く(ほとんどHP500超だった印象)、ルビスの剣を入手するまではバイキルトが必須だったはず。
- 氷の洞窟B3F-1
このフロアから初のギミック「氷の床」が登場します。氷の床の上では途切れるまで進行方向を変えることができません。氷の床の実装はSFC版DQ6のマウントスノー近辺のダンジョンで実装されているのでそれをパクればDQ3に移植することは可能です。ただし、通行情報に該当部分に#$0800の属性を設定しておく必要があります。氷の洞窟パッチにはこの属性が設定されていなかったので通行情報を変更する必要があります。
- 氷の洞窟B3F-2
このフロアがあるせいで氷の洞窟を実装する気にはなれなかったのですが、見事に再現されています。ただ、実際にここを通るとオリジナルでは後ろの洞窟の画像がBG3になっている(と思われる)ので、プレイヤーの動きとは連動せずゆっくり移動するのですが、このパッチではその部分をすっぱり諦めて単にBG12の背景として実装しています。BG3にするには、SNES4BPPの画像ではなく、SNES2BPP(? 1ピクセル2bitの画像データ)の画像を追加し、BG1,2インデックスに相当するBG3インデックスも拡張する必要があったり、DQ3 Extendedでカバーされていない範囲の拡張が必要になるので、真面目にやろうとすると相当大変です。細かいところはさておき、見た目に関してはご覧の通り全く同じ(というかGBC版から抜いたんですかね)になっているので文句はありません。
- 氷の洞窟B3F-3
このフロアにも氷の床のギミックがあります。
- 氷の洞窟B4F
オリジナルではここにも全モンスターの銀メダルを集めろという難題を突きつける爺がいます。一応銅メダル2枚で銀メダル1枚に交換してくれるので、コレクター心を満足させるには銅が3枚あれば交換分を残して銀までは揃う計算にはなるのですが、それでも出ないときは全く出ないので非常に苦行を強いられます。DQ3 K.Mixなら最初の爺はなしにして、モンスター図鑑の神竜の塔までの雑魚モンスターをコンプリートしたらここを通れるとかにするのが妥当かなあと思っています。
このフロアも導入を躊躇させたフロアその2なわけですがほぼそのまま再現されています。
- 氷の神殿1F
このフロアの構成はオリジナルと微妙に異なっています。屋根の中に入ると別フロア扱いになっています。だから何だという話ではありますが、屋根にして切り替えると何か不具合があるのかもしれません。
- 氷の神殿B1F
ここにも氷の床のギミックがありますが、ギミックとして作用しているのはこのフロアだけです。
- 氷の神殿B2F
ようやく最終フロアまでやってきました。フロア数だけで言うと10フロア分になり、神竜の塔に比べるとだいぶボリュームがありますが、実際はエンカウント率はかなり低いので「ひたすら歩くだけ」のダンジョンという印象を受けます。
グランドラゴーンのいる祭壇の床の幅が左右1キャラクター分違うので左右に進入可能な領域ができてしまっています。正面ではなく左右から進入させると処理が面倒くさいのでたいまつを立てて入れないようにしようとしましたが、座標が合わないせいで断念しました。処理を単純化させるために単純に通行不可の情報を動的に設定して回避することにします。
細かいイチャモンツッコミをしながら見てきましたが、ケチを付けたいのではなく「より完成度を高めるための指摘」と捉えていただけるといいと思います。自分も0から作ったときに他人からあれこれいわれると「ここまで作るのだって大変だったのに細かいとこまでいちいちうるさいなあ」と思ったりするわけで、指摘する側からすると良かれと思ってやったことが裏目に出たりすることもあったりなかったり。それはともかく、オリジナルと比較すると多少差異はあるものの、マップに関してはパーフェクトなクオリティのものがリリースされたのが分かったと思います。というわけで、次回以降はこのパッチをDQ3 K.Mixに移植するにあたって行った追加作業について書いていきます。
コメント
なんか改造スレの方では勝手に次回以降のパッチに氷の洞窟パッチが導入されることになっちゃってますが、実際のところそのつもりはありますか?
一応やる予定です。マップの移植、フロアギミックの実装は終わっています。後日投下するエントリにもかきますが、実現までは色々考えることが多いのと、別途追加する要素の実装がまるで終わってないのでリリースはかなり先になりそうです。